シロ

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『さて…と』 健が帰るのを確認して、玄関に鍵をかける。 『シロには可哀想なことをした。  もっと早く気づいてやればよかったよ。すまない』 毛布をはぐるとそこにはテープで口をふさがれ、 後ろ手に縛られた小柄なおっさんが転がっていた。 『噂は聞いていたがホントにいるんだな、こういう人間が』 『俺の居ない時に、玉ねぎやニラの大量に入った食べ物を与えていただろう。  最近取り付けていた監視カメラで確認済みだ。  気づいたときには、すでに溶血して手が施せなかったが…』 『お前がこんなことをする理由は知らないし、別に知りたくもない。  だが、何も知らず死んで行く動物の身になったことがあるのか』 小柄なおっさんは縛られた状態でも、悪びれる様子もなかった。 むしろ拘束しているお前が悪いとでも言わんばかりだった。  
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