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そんなワケで、今僕は中村くんと宇都宮くんと一緒にりゅーちゃんを探してます。
食堂や保健室、中庭など色々探したけど、未だに見つからず…気づいたら20分ほどたっていた。
そして今は、空き教室を見回っている。だけど、周囲に人の気配がしない。
また、探してる途中に気になったことがある。
それは、中村くんと宇都宮くんが、教室では喋るのに何故か今は全然喋ってないということ。
というか、宇都宮くんはずっと僕と中村くんの後ろをついてきてるだけ。
気まづいよね。
「あの、気になったんだけど、何で宇都宮くんはずっと後ろに…」
「あぁ、アレは置いといていいよ(笑)」
えっ、アレ呼ばわり!?爽やかくんからアレ呼ばわりって…教室でずっと喋ってた時は仲良さそうだったのに、実は仲が悪いの!?
「中村様、僕のことをアレ呼ばわりはさすがに酷いと思いまーす!!」
「海、杉崎くんがいるんだから大人しくしててね」
「えー」と言いながら宇都宮くんはムスッてしている。いや、そこは可愛いんだけど、僕の中での宇都宮くん像が…可愛いチワワ像が…
「そうだ、中村様!屋上に居るんじゃないですか?あのキラキラ王子様。」
「田村くんでしょ、でも屋上空いてないじゃ…」
「フッフッフー!そんな事もあろうかと、じゃーん!!鬼龍(きりゅう)くんから合鍵貰ったよ。」
「えっ・・・鬼龍から・・・」
ちょっと、僕の存在忘れてないかな?いや、別にいいんだけどさ、教室と2人の対応が全然違うんだけど。
というか「鬼龍くんってあの王道でいう、一匹狼の鬼龍くん?爽やかくんと関係が?いや、それとも宇都宮くんと?もっと詳しく…」
・・・あれ?どうして2人して急に黙ったのかな???
「フッフッフッ!杉崎くんも僕のお仲間さんだったんだね!!!!」
「えっ、えっ!?なんの事?」
「さっき、鬼龍くんのことを『王道でいう、一匹狼』って言ったじゃないか〜。ね?腐仲間さん☆」
「えっ、もしかして、僕…声に、出してた…?」
「もうバッチリと☆」と宇都宮に最大級の笑顔を貰いながら言われました。
もうこの際、宇都宮くんにバレるのは良しとしても、中村くんにはなんて言えば…
僕は、腐男子だとバレて真っ青になっていた。
「杉崎くん、俺は海で慣れてるからそんな真っ青にならないで!気にしてないからね。」
真っ青な僕へ、中村くんからのフォローが来た。
イケメンでクラスのムードメーカー的な爽やかくんは腐男子にも優しいのですか!?優しすぎるよ!!!!
「そーそー、気にしない気にしなーい。」
「海はもう少し気にしてくれ…。隠す気ないでしょ…」
「えー、ぼく、中村様と2人の時以外は隠せてると思うんですけどー」
「いま、隠せてないでしょ…」
アハハと笑い誤魔化して、それ以上宇都宮くんは反論はしなかった。
どうしよう、2人の関係がすごく気になる。けど、今この2人の独特な雰囲気を崩しちゃいけないと腐男子センサーが言ってる。
・・・でも知りたい!!
「あの、2人の関係って…」
「僕と中村様の関係は、恋人同士だよ☆なーんちゃって(笑)」
「杉崎くん、本当にただの親衛隊の関係のみだから。海のこと気にしないで…」
「は、はぁ」と返事はするものの、やっぱり気になる!!という感じの雰囲気を感じとったのか、宇都宮くんが
「腐仲間として教えるけど、中村様すでに御相手いるよー?」
「えっ、だ、誰なんですか!?」
「それわぁー」
「海!?俺はホモじゃないし、杉崎くんも本気にしないで!!」
「けどー、鬼龍くんから告白されてたじゃないですかー」
「!?!?」
そこのとこ、詳しく!!!!!!!!
なぜ、爽やかくんに一匹狼くんが告白するなんて展開になって…
「俺のことよりも、今は田村くん探すのが先でしょ!!というか、杉崎くんもっと大人しい子だとおもってたけど、案外来るんだね」
「えっ、あっ…ごめんなさい。」
やばい、気になりすぎて突っ込みすぎてしまった。
これから僕はきっと影で色々言われるんだ…
「あーあ、杉崎くん中村様のせいで落ち込んじゃったー」
「あぁ、落ち込まないで!?いや、海に比べて全然大人しいし、杉崎くん面白いなぁと思っただけだから」
「ちょっと、僕に比べてってどういうことー」
面白いって、褒め言葉じゃないけど…2人のやり取りが面白くてつい「ぷッ」と笑ってしまった。
「あっ、杉崎くん笑った!!かーわいー」
「か、かわいい!?僕は平凡です!!それより、早くりゅーちゃん探しに屋上へ行きましょう!!」
宇都宮くんに可愛いと言われ、恥ずかしさのあまり逃げるように屋上に行こうとした時、目の前にりゅーちゃんが現れた。
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