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田村龍也side
さすがに人目のある教室では、実を怒らせちゃったなぁ。
だけど、人目がないと実(みのる)は僕のものとアピール出来ないから我慢は出来ないよね〜
はぁ、とりあえず実(みのる)が落ち着くまでは1度離れておこうかな。
あと、あの2人についても調べとこうかな。
実(みのる)はさっき、ずっと前の席の2人を見てたし、この2人について調べてないとね。
僕と実の邪魔されたら堪らないから。
とりあえず、叔父さんのところに向かおうかな。
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理事長室の前に着き、専用カードキーで扉を開けた。
「叔父さん、透(とおる)さんいる?」
「あぁ、龍也いらっしゃい。透くんなら今、生徒会室にいるけども呼ぼうか?」
「うん、お願い。」
透さんというのは、僕の叔父さんである理事長の秘書で、学園のことはなんでも知っている。恐らく叔父さんよりもね。
あと、なぜ生徒会室にいたのかと言うと、生徒会の顧問だから。
ちなみに、これは要らない情報だけど、透さんはこの学園の元副会長であり、叔父さんの恋人。
まあ、そんなことは置いといて、透さんが来る前に新歓について、お願いしなくては…
「叔父さん、新歓の事だけどさ。まだ決まってないよね?」
「ん?あぁ、まだだよ。」
「良ければ、新歓を鬼ごっこにして欲しいんだ。」
そして僕は、王道学園でよくある鬼ごっこの説明をして、叔父さんから了承を得た。
ちょうど僕が了承を得た頃に、透さんが入って来た。
「あぁ、透くん。忙しいのに来てくれてありがとう。」
「いえ、彰(あきら)さんのためなら…。それで、なぜ龍也もここに?」
「僕が呼んだんだよ。あぁ、でも叔父さんからも後で話があると思うから。」とりあえず先に僕の調べ物をしてもらおう。
「同じクラスの中村と宇都宮について、教えて欲しい。特に恋愛関係について」
「特にでは無くて、それ以外聞く気は無いのでしょう?はぁ、仕方ありません。教えなければここを出て行かれないでしょうし、教えてあげましょう。」
そこで僕は、
宇都宮は実と同じ腐男子であるという事実と、
中村は同室の不良(鬼龍)に言い寄られていることがわかった。
そうと分かれば、鬼龍に協力をもちかけようと思い理事長室から出た。
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透さんに、鬼龍は屋上にいるという情報を教えてもらったので屋上に来たが本当にいた。
透さんは副会長するよりも風紀委員にい方がいいのではないかと思ったが、それは置いておこう。
「君が、鬼龍くんだね?」
「ああ゛?オメーは誰だ。」
「少し、同室の中村くんについてお話でもと思ってさ」
鬼龍は中村の言葉を聞き、眉をピクっとさせたが黙って話を聞いてくれたため、僕は協力をもちかけた。
「ねぇ、鬼龍くんは中村くんのことが好きなんでしょ?僕はその後ろの席の実を愛してるんだ。だから、協力しない?」
「はぁ?実って奴と中村は関係ねーだろ。」
「宇都宮くんと言ったら分かるかな?宇都宮くんは必ず、実と仲良くなるから。それきっかけでさ中村くんに近づかれでもしたらね…だから、協力しない?」
僕がそういった後、鬼龍くんはしばらく黙って考えていた。
きっと、宇都宮くんの行動については思い当たるところがあるのだろう。
「おい、なぜ宇都宮がその実と仲良くなると断言できるんだ?」
「だって、実(みのる)は腐男子だからね。あっ、けど実(みのる)は隠してるみたいだからこれは秘密でお願いね。」
「腐男子?」
「腐男子っていうのは、男同志の恋愛を見るのが好きな人のこと。宇都宮くんもそれにあたるみたい。」
それを聞き、また鬼龍くんは黙った。まあ、見ず知らずの人にそんな事言われてもってことだよね、、、仕方ないか。
「僕はもうそろそろ心配して探してる実に会いに行ってくるから。決まったら教えてね。遅くならないうちに判断してくれることを祈るよ。」
そう言って僕は屋上を出た。
屋上を出てしばらくしたところで、実(みのる)の声が聞こえた。
他の2人の話し声も…
仲の良さそうな声でイライラしたけど、まず実(みのる)を迎えにいかないとね。
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