ついに転入生が来た!!

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さて、僕は今、イケメン王子様転入生であり、僕の幼なじみ(の可能性)である田村くんに何故か空き教室に連れ込まれ、壁ドンされている。 いや、なんでこうなったかは分かってますよ。 僕が断念して、田村くんと放課後にさも約束があった様にしてついて行ったのが始まりだ。 「あの、田村くん…」 「なんでよそよそしいの?結婚の約束した仲だし、昔みたいに、りゅーちゃんって呼んでよ。ね?」 「りゅ、りゅーちゃん。あの、距離が、近いと思います。」 田村く…じゃなくて、りゅーちゃん。 やっぱり、りゅーちゃんなのか。 いや、それよりも何故か壁ドン。なぜ僕に…僕じゃなくてチワワちゃんだったらすごく良かったのに。 きっと上目遣いで「田村様…あの、あのっ…///」と言い、田村くんが王子様スマイルで「なぁに?どうしたの?」って、そのスマイルにやられたチワワちゃんは顔を真っ赤にして…って最高じゃん!!なんでチワワちゃんじゃなくて僕なのさ!! 「…のる、実(みのる)、聞いてる?」 「うぇっ!?あ、あの、はい。」 いえ、ちょっとム腐腐な世界に入ってて、聞いてなかったです…なんで言える雰囲気ではない。 だって、りゅーちゃんがものすごく睨んでるもの。今は朝のキラキラオーラじゃなくて、ドス黒いものが見えるのだもの。 「じゃあ、約束守ってくれるよね?」 「えっ?約束って…?」 「実(みのる)、やっぱり聞いてなかったの?」 「い、いや、あの、聞いてたよ。うん、守るよ。」 (だから、そんなドス黒いオーラ出さないでください。お願いします。)と心の中で念じる。 というか、怖すぎて口走っちゃったけど約束っで何!? 「じゃあ、早速教会に行って誓おうか。」 「えぇ!!あ、あの、誓いとは、何用でございますか…」 「協会で誓うと言ったら、永遠の誓い以外に何かある?」 ですよねー。口は災いの元って言うけど、もしかしてさっきの約束って言うのは… 「りゅ、りゅーちゃん。も、もしかしてさっきの約束っていうのは、ケ、ケッコ…結婚の…やくそ…く…」 そう聞いたら、何当たり前のこと言ってるのって顔されました。いや、本当に自業自得だけど。 どうしよう。昔の約束は、りゅーちゃんのことを女の子かと思ってたって正直に言うしかないかな。 いや、言うしかないよね。大丈夫。昔からりゅーちゃん優しかったし、きっと分かってくれる。 よし、と意気込んで顔を見上げた時、チュッと口に柔らかい何かが触れた。 一瞬のことで、頭が回らないけど、漫画の王子様に負けないくらいのキラキラオーラを放っているりゅーちゃんが… あれ、口に柔らかいものが触れて、目の前にりゅーちゃん?これ、漫画で見た事ある奴だ。 もしかして、やっぱり、アレですか? 「あれ、実(みのる)固まってる?可愛いなぁ。けど、これからこれ以上の事もするんだから、そんなことで固まってたら持たないよ?」 「りゅーちゃ…キ、キス…。今、キス…し…」 「うん?そうだけど…あっ、もしかして嫌だった?」 やっぱり、そうですよね。キスですよね。 「嫌だった?とか聞かれても、突然過ぎてどうだったかも分からない…」 「じゃあ、やり直そうね。」 と言って、またりゅーちゃんにキスされた。 あれ、なんで… 「これで嫌かどうか分かった?」 あ、もしかして、さっきの突然過ぎて分からないって心の声が漏れてたパターンですか?そうですよね?絶対にそうですよね。 だけど、2回目のキスはしっかり覚えてて、イケメン王子様だからか「全然嫌じゃなかった…」 「嫌じゃなかった?良かった。じゃあ、気持ちよかった?」 あれれ、また心の声が漏れ出してる案件ですか? もう僕、無心になった方が安全じゃないかな。 というか、気持ちよかった?って、そんなの唇が触れるだけで気持ち良いなんて漫画の世界の話で、実際は嫌ではなかったけど、気持ちよくなんてな… 「んっ…ちょ、りゅーちゃ…ん…やっ、やめっ、んっ」 そんなことを考えてたら、りゅーちゃんから今度は啄むようなキスが雨のように降ってくる。 このままじゃ、ドキドキで苦しくて溺れて死にそう…助けて… とそう思った時、ガラッと教室のドアが開き 「風紀委員だ!!お前たち、空き教室で何やっている!!」 と、天下の風紀委員長である3年生の石渡いしわたり 正弥まさや先輩が入ってきたのである。
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