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田村くん…いや、りゅーちゃんからのキスの猛攻撃を受けてる僕に救いの神が現れた。
そう、風紀委員長様だ。
「おい、こんな所で何をしていると聞いてるんだ」
「恋人同士の甘い時間を楽しんでたんだけどなぁ。」
「その子は泣いてる見たいだけど、本当か?」
僕は、泣いて無いよ。ただ、苦しくて、目から汗が…。
というか、救いの神と思った風紀委員長様は、噂通り怖い。みんな、こんな魔王様みたいな人を抱きたいと思ってるの?
あ、この学園にも漫画みたいな抱きたい・抱かれたいランキングがあり、この風紀委員長がなんと2位なのだ。ちなみに1位は副会長で、抱かれたいランキング1位は会長。
「おい。お前聞いてるのか?それとも、喋れないのか」
「い、いえ、そんなことは!!」
「じゃあ、早く喋れ」
「ねぇ、僕の実(みのる)にそんな事言わないでよ。怖がってるでしょ。」
「…、悪い。だが、俺もまだ仕事があるんだ。黙ってたら何も分からないだろ」
確かにそうだ。僕は、言いたいことを言いきれずにいた。あぁ、本当に僕はダメだ。こんなの腐男子失格だよね。よし、ちゃんと僕の気持ちをりゅーちゃんに伝えるんだ。
「あの、石渡先輩。僕、大丈夫です。ご心配していただき、ありがとうございました。僕はりゅーちゃんとお話することがあるので失礼します。りゅーちゃん、ちょっと来て!!」
そう言ってから、僕はりゅーちゃんの手を取って教室から出て、人気のない校舎裏まで行った。
「りゅーちゃん、あのね。僕、実は…」
「実(みのる)、僕に話したいことってなに?(ニッコリ)」
どうしよう、りゅーちゃんものすごく笑顔だ。さっき決意したばかりなのに、もうめげそう。助けてこのガラスのハートを。
いや、でも言うって決めたから言わなきゃだよね。
「あのね、りゅーちゃん。僕、じつは、りゅーちゃんのことずっと女の子だと思ってたんだ。…だから、その…」
「うん。なに?」
「僕、男の子を恋愛対象として見たことないし…約束は…」
「じゃあ、見たことないのなら、可能性があるよね。約束は少し延期しようか。今の僕を、改めて実みのりに好きになってもらうように頑張るから、ね。どうかな?」
「うぇっ?あ、うん。」
「じゃあ、これから改めてよろしくね、実(みのる)」チュッ♡
「えっ・・・」
りゅーちゃんのキラキラオーラにやられて、うんって言っちゃった。
しかも、しかも!!額にキスをされた。
あぁ、顔がものすごく熱い。
この調子だと、これから僕はどうなるんだろう。
そして、僕の平穏な生BL観察の日常はどうなるの…
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