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学生寮にて
今、僕は寮に帰っていた…
りゅーちゃんと手を繋いで。
なぜりゅーちゃんと手を繋いで帰ることになったかと言うと…
あの、額へのキス事件の後抱きつかれて、離してもらえなったからだ。
人が来たら困るから離してと言ったのに、何故か一切離してくれなかった。僕がしばらくりゅーちゃんの腕の中で格闘していると、りゅーちゃんが妥協案?を言ってきた。
「今から寮に帰るんでしょ?じゃあ僕も帰るから、手を繋いでくれたら離してあげてもいいよ。」
近くに生徒の声も聞こえて来て、いち早く離れたかった僕は、すぐに頷いた。
そうして、僕はりゅーちゃんと手を繋いで。
あの時の僕は気づかなかったが、男2人で手を繋いで帰るとか、ものすごく目立つということを…
そんなこんなで、僕は寮の自室の前に着いたのであった。
ちなみに、この寮は学年・生徒会・風紀ごとにフロアが別れている。
また、生徒会と風紀は基本は1人部屋で、その他生徒は基本、2人1部屋だ。
最近は少子化に伴い、部屋数が余ることがあるため、1人部屋の生徒も数名いる。
1人部屋になれるかどうかは、運だ。
ちなみに僕の部屋は、たまたま1人部屋だった。
だから、部屋の中で堂々とBL漫画を読み放題!!周りの目を気にせずに、ニヤケたり悶えたりも出来るのだ。
早く部屋に入って、漫画を読んで癒されたい。そう思っていたら
りゅーちゃんが、どこから取り出したのか、カードキーを使って、僕の部屋の扉を開けた。
あれ、僕のカードキーはまだ僕の手元にあるのになんで…
「実(みのる)、知らないの?僕と実(みのる)は同室になったんだよ。これから、よろしくね。」
「えっ、聞いてないよ!?」
「秘密にしてたからね。びっくりして欲しくかったからね。」
「いや、びっくりしたけど。それじゃ、これから…」
「うん。よろしくね。同室者としても、恋愛の方も(ニッコリ)」
あぁ、本当の本当に僕の安地は何処へ・・・。
「実(みのる)、とりあえずどうする?夕飯にする?お風呂にする?それとも…」
ちょっと、なんですかそのセリフ!!僕以外なら完全萌えだったのに!!
「ゆ、夕飯!!それともは、無し!!」
「無しなのか…残念。じゃあ、食堂に行こうか」
「僕は、自炊するから食堂はいいや。」
「実(みのる)、料理できるんだ?」
「うん。この学園の食堂高いから、お昼も弁当作ってるんだ。」
「へぇ、そうなんだ。僕、実(みのる)の手料理食べたいな〜」
「人に食べさせれるほどのものじゃないよ?」
「僕が、実(みのる)のを食べたいの。」
僕のを食べたいって・・・、ちょっと、卑猥に聞こえたのは腐男子特性か何かですかね。顔が熱い。絶対今…
「実(みのる)、顔真っ赤。どうしたの?僕はただ実(みのる)の手料理を食べたいって言っただけなのに(ニヤニヤ)」
「べ、別に顔赤くないよ・・・。わかった、作るからそっちで座って待ってて」と言って、僕は逃げるようにキッチンに向かった。
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