第1話 青葉和人

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第1話 青葉和人

青葉和人は幼い頃からサッカーが好きだった。 青葉家の長男として生まれ、 双子の弟たちと いつも暗くなるまでボールを追いかけていた。 また、彼は学校でも「長男」で在ろうと努力した。 学級委員も進んで行い、文化祭は実行委員に入り、皆をまとめる存在となった。担任からの評価も高く、高校は県内有数の進学校に合格した。 サッカー選手としての彼は、 体格にこそ恵まれないものの 高2でレギュラーにも選ばれ、 高3ではキャプテンとなった。 決して才能に恵まれたわけではない。 身長も162cmと大きくなく、足も速くはない。 しかし、誰よりも長く練習をし、 誰よりもサッカーを識り、 誰よりもメンバーを支えた。 そして、満を持して迎えた高3の最後の大会。 和人はピッチに立つことなく、この世を去ることとなった。 過労によるホームからの転落死。 なんとも苦しく、 なんとも呆気なく、 そして、なんとも悔いの残る死。 そんな彼の後悔か、あるいは神の悪戯か、 当たり前に来るはずだった和人の「明日」は、遥か地球の向こう側にいた10歳のブラジル人少年ペレの「明日」に混ざり合ってしまう。 この物語は、 (サッカー)への想いを諦め切れない日本人の少年が、 驚異的な才能(カラダ)を持つブラジル人の少年に転生し、世界を制するまでの英雄譚である。(予定)
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