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「あ…の……間を取って、と…途中までとか…は、いかがでしょうか」
「途中?」
「あの……最後までは準備もあると聞きましたし…」
「はぁーっ、お前は、これだからもう。可愛く強請られて、断れるわけないだろう。俺が今どれだけ我慢してるか……」
晃は、ソファーから立ち上がり彩を抱えて、ベッドルームへ向かう。
その様子に、彩は抱えられながら足をバタバタとさせて抗議をした。
「だ、だめです。お風呂、シャワー…浴びさせてください」
「なんで?」
「僕、き…汚いし、臭いと思う……」
晃は彩の耳の後ろに鼻をあて息を吸い込んで、そして耳元で息を吐く。
その行動に彩は、中心部分が熱さを帯びていくのを感じて、ビクッと身体が震える。
「臭くない。彩の甘くていい匂いがするぞ。いつも甘い飲み物飲んでるからか?」
「もうっ。5分でいいのでシャワー貸してください。隅々まで5分で洗い終えますので」
「しょうがないな、一緒に入るか」
晃はそのままベッドルームではなく、彩を抱えてシャワールームへ向かうのだった。
「ちょ、晃さん……む、無理ですって」
「男同士なんだから、恥ずかしがることないだろう。温泉とかでも男湯入るだろうが」
「は、入りますけど……晃さんと入るのは意味が違うというか、なんというか……」
彩は、足をバタバタさせて抵抗するも、聞く耳を持ってくれない晃はそのままバスルームへ連れて行き、脱衣所に下ろす。
「一人で脱げるか?」
「ぬ…脱げます。大人なんですから…でも、電気とか…」
「彩、女みたいなこというんだな」
そういって豪快に笑いながらシャツを脱ぎ始めた晃を見て、無駄な贅肉もなく引き締まった身体に目を奪われた。
目を逸らすことが出来ず、晃の身体をぼーっと見つめていると、熱にあてられて興奮したように顔が熱くなる。
(あ……カッコいい……僕に無い筋肉もあるし……)
そーっと、彩は手を伸ばして晃の身体に触れようとした手を掴まれる。
「あ……」
彩は、少し残念そうな声をあげると、晃はニヤニヤしながら彩の顔を見る。
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