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★シウス・イーヴィルズアイ編
会場に降りてくると、真っ先に出迎えてくれたのは可愛らしいウエディングドレス姿のラウルだった。走ってきて、両手でギュッと抱きついてくる姿など可愛くて仕方が無い。
シウスは受け止め、その頭を柔らかく撫でた。
「シウス、綺麗」
「そうかえ? ふふっ、嬉しいの。其方も綺麗ぞ、ラウル」
オフショルダータイプのドレスには飾り気が少ないが、その分素材が活きている。ほっそりとした肩の華奢さ、腰の細さ、肌の白さが際立って見える。
薄付きの口紅は淡いピンク色で、大きなライトブラウンの瞳が揺れている。
「愛らしくてたまらぬよ、ラウル」
「シウス」
「何か貰えたら、私と共に過ごしてくれるかえ? 其方と二人で過ごす時間を思って、このような催しに出たのだよ」
「勿論です!」
首に抱きつく愛しいラウルに、シウスは優しくキスをする。甘えるように震える腰を引き寄せて、小さな唇を悪戯するように開かせて。
この様子を見ていた周囲の一般隊員は、涙を流して拝んだ。あまりに尊い禁断の百合な光景に、男共は免疫が一切無かったがために数人が昇天したという。
「うわぁ……中身どっちも男なのに今は女性同士に見えるよ」
「凄い光景ですよね」
離れて見ていたオスカルが呆れ、エリオットが苦笑する。眩しい光を放ちながら、ラブラブ夫婦は周囲にまったく構うことなく二人の世界を満喫するのであった。
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