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2話
まだ死にたい気持ちは残ってるし、希望なんて持ってない。
望んで手を伸ばしても振り払われてきたから・・・
いつもいつも苦しかった。
二度と人間に生まれたくないって強く願ったのも本当だけど、神様は僕に第二の人生を送れという。
「他にも随時欲しいと願うことがありましたら、教会で私達の銅像にお祈りして下さい。その時はまた、此処でお会いしましょう」
慈愛に満ちた笑みで告げる神様は、僕の死を心の底から悲しんでくれたのかと思えてならなかった。
それでも僕は、生きる希望が持てない。
他の人間なら嬉々として喜んだと思う。
だけど僕は、眠るように死んで朽ち果てるのを望んでいたから複雑な気持ちでいっぱいだ。
「「「あなたに神の加護があらんことを」」」
そう神様達の声が聞こえ、僕は意識を手放した。
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「んぅ~・・・」
キラキラと木漏れ日が差し込む中で僕は目を覚ました。
肩掛けの鞄なんて持ってなかったけど、神様がくれたのかな・・・?
普通なら感謝を言うんだろうけど、僕に必要なのかわかんないから貰っても正直微妙。
周りを見回してみると大小様々な樹木が風に揺られ葉が擦れ合いサワサワと音を奏でている。
耳障りな声ではなくて、傷ついた心を癒してくれてるかのように優しい。
「いい匂い・・・」
僕は目を閉じた。深呼吸をして、土や草木、花の香りを肺いっぱいに吸い込んだ。
自然の匂いは、どこまでも澄んでいた。
「あ、あれって何の花だろう?いっぱい花の蕾が重なってる」
最初に見つけた花は、白だったりピンクだったり赤だったりと彩り豊で懸命に咲いている。
明るい気持ちにしてくれそうな色合いだけど、僕の心には響かない。
ただ其処に鮮やかな花が咲いてるくらいにしか思えない。
「僕の住んでたとこにもある花・・・?でも、ちょっと香り強いかも・・・」
気にはなるけど、それだけだった。
この世界の知識を神様にもらってるから、それで分かるかも・・・
え~っと、何々・・・?
「鈴花:鈴なりになってひたむきに咲く花。(日本にあるアセビに似ている)」
へ~、日本にそんな花あったんだぁ。
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