3話

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3話

僕の住んでた日本では、様々な草木があるのは知ってる。 でも、どういう花かって聞かれると知らない。 だって、今の僕は死にたい気持ちしかないから・・・ そもそも、異世界ってモンスターが現れて戦ったりしてレベルあげるようなとこでしょ。 僕そんなの求めてないし、一発で死ねるなら上げる必要ないよね。 それよりも、ココどこだろう。 ん~・・・んっ? 『離樹の森:人々が離れたその土地に現れた謎の森』 ちょっと待って・・・謎のって何?謎のって・・・ 人が住んでないなら何の生物がいるの・・・? 死にたい気持ちはあるけど、誰も知らない生物に殺されるのは望んでないんだけど・・・ そんなことを思いながら歩いていくと、ガサッガサッと密集した草が揺れた。 「ぇ・・・なに・・・?」 なおも草や枯木を踏み近づいてくる音がする。 パキッガサガサッガサッと現れたのは、銀髪で宝石のサファイアのような目をした男だった。 「お前は、ここで何をしている?」 「・・・・・・」 「おい、聞こえてるのか?」 何度も聞かれているけど、僕の頭は『????』しか浮かんでこない。 神様にもらった知識で、ココは人が住んでない森のはず・・・ なのに、目の前の男はどう見ても人。人間・・・ 神様の知識も当てに出来ないってこと・・・? 「おい! 聞こえてるなら返事をしないか!! 」 今度は大きな声で呼ばれ、肩を揺さぶられた。 僕は、その大きな声に体がビクつき萎縮したのを感じた。 「近寄らないで!! 」 僕の精一杯だせる声で拒絶し相手を突き飛ばし走り逃げた。 何故逃げるかって?死ぬなら、自分の望む形で死にたいから。 見ず知らずの人に殺されるくらいなら、逃げてひっそりと死にたいから。 それなら、誰かの迷惑にならないでしょ? そんなことを誰に言うわけでもなく一人問答しながら逃げた。 でも、気配はなくならない・・・ 「ちょっと待て! 怪しいもんじゃない! お前に聞きたいことがあるだけだ! 」 「・・・・・・(しつこいな、もう・・・)」 走ることは得意な僕は、追いかけてくる彼から逃げる。 逃げ足が速いのは、学校でいじめを受けて毎日どこに隠れてやり過ごしたりリンチされる前に逃げるような生活を送っていたからだけど・・・嫌な特技だよね・・・
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