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6話
「それで?僕に聞きたいことって何?全部纏めて話すから、それ以上近付かないで質問して」
「何で近付いちゃダメなんだよ。野郎同士なんだから恥かしいことでもないだろう?」
「それ以上近付くなら話さない。僕は誰かが側にいられるのが心底嫌なの。嫌がってる人間の側に近付く男は紳士なの?それが、あなたがいう紳士ならとんだ野蛮だね」
正論を述べられてしまえば、男も近付くのを諦めるしかなかった。
「それで?質問は?」
「最初から聞く。何故、人が住まないこの森にいたんだ?軽装で何をしている?君は、どこに住んでいて何をしている?親兄弟は?何が目的でここに留まっている?」
「起きたらあそこにいたから、それ以外の答えを求めてるなら無理だよ。軽装っていうけど、僕にはこれが普通だからね。住んでるとこも親兄弟も知らない。目的に関しては、他人には迷惑かけない内容だけど教える義理はないよね。全部答えたよ。もういいでしょ」
相手が唖然としてる間に僕はスタスタと歩きだし、森の奥へと逃げ込んだ。
見えなくなったことで足早になり、よじ登れる樹の枝に座り様子見していると・・・
遅れてついてきた来た彼がキョロキョロしながら僕を探している。
僕は、神様にもらった能力の一つを自分のステータスを見ながらONにした。
そのスキルは、大樹との同化だった。
同化している間は、歩こうが寝ていようが普通の人間には気づかれることがない。
まさに神様チートだよね。
どうせ死んでしまう僕に与えるには勿体ないと思うんだけど、くれるっていうから貰っておいた。
こういう時に役に立つとは思わなかったけど、今は付き纏われるのを回避できたから良いと思うことにした。
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