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7話
でも、この森の名前寂しいって思う。
だって『離樹の森』だよ?人が離れて寂れた後に出来た森っていうのも気に入らない。
もともと、人間って身勝手な生き物でしょ?
欲しいものがあったら力づくで奪うじゃん。それで必要なくなったらポイって簡単に捨てるんでしょ?
僕だったら、そんな寂しい名前より『璃珠の杜』って付けるのになぁ。
『水晶のような宝石が森いっぱいに鏤められてキラキラと華やかな森』っていう意味で、『森』を『杜』に変えたのは『神聖な場所』っていう意味にしたかったから。
下を見てみると、僕を追いかけてきた男がまだ探していた。
ほんっと~~~~に執拗い・・・
「あいつ、どこに行ったんだ?去ってから数秒しか経っていないのに消えたように見つからないってのはおかしいだろ・・・」
一人でブツブツ言ってるけど、僕は同化したまま見てるだけ。
移動するのは簡単だけど、僕のスキルのレベルが低いから見つかる心配を抱えたまま使用するのは危険。
結局、あの男が諦めるまで動けないということになる。
「(ほんと執拗い・・・。早く諦めてくれないかなぁ・・・)」
僕を探し始めて、既に3時間が過ぎていた。
けれど、男は諦めない。少しずつ焦りの色が出てきているのが分かったけど、僕には関係ないと思い放置した。
「本当に、あいつどこに行ったんだ?こんな人が住まない森の中に一人じゃ危険だろうに・・・参ったなぁ」
心配してくれてるのが分かるけど、僕の心は動かない。
僕は自分がどうやって死ぬのかを考える。
周囲の状況なんてものは二の次だ。
縊死(いし)は、見た目が汚いから嫌かな。
だって、紐を索状物に吊るして首に掛けて自分の体重で死ぬんでしょ?
首が絞まって圧迫して、呼吸や脳の血流が阻害されて脳や臓器に回復不能な機能障害が起きて死ぬって苦しいじゃん。
僕、自分が眠るように死にたいから苦しいのは無理。
そういえば、僕のステータスってどんなふうになってるんだろ。
ちょっとだけ興味ある。
追い回してる人まだいるし、死に方や場所が見つかるまでのんびりいこうかな。
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