(3) サークル、入る気になったかな?

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それから数日後。 バイトの図書館への運搬でまたカウンター内に入ると、紡木さんがいた。 「あっノブくん!こないだはお疲れさま」 泣き袋の目元が相変わらず眩しい。ドキドキしながら僕は答える。 「あ、お疲れです…あの、この資料をここに運ぶように言われたんですが…」 「はい、じゃあここに置いてもらえますか…って、はは、敬語に戻ってる(笑)」 「あっ…そう…だね。ゴメン」 「ふふ、お互い様」 言いながら、紡木さんも運ぶのを手伝ってくれた。 本日最後の運搬場所。日暮れ時の時間帯。紡木さんの勤務時間は…ここ? 「あの…紡木さんは、いつもこの時間帯に司書してるの? 俺、4月からこのバイト始めてるけど、今まで紡木さん見かけた事なかったよ」 「あっウン、そうだよ。よほどの事がなければ平日毎日、閉館の19時まで。 今まで図書センターの人と顔合わせた事なかったから、初めてノブくんがここに来た時はビックリしたよ」 「そっかぁ。あ、じゃあ…これからは、届ける資料がある時はこの時間帯に来るようにしてもいい? その…知ってる人がいる方が…安心するから」 「うんうん、もちろん。私も、ノブくんなら安心するよ。じゃあこれからは、そんな感じで(笑)宜しくお願いします」 社交辞令と分かっていながら、優しい言葉に舞い上がる。 「…あっ?」 突然、紡木さんが声を上げる。 「ごめん…今突然、思い出した。 ノブくんて、先月、ここでバイト募集のメモ取っていった人?違ったらごめんなさい」 あ…思い出してくれた。 なんで今?という疑問は、気付いてくれた嬉しさにすっかり掻き消された。 「ふふ…そうです(笑) その節はお世話になりました。おかげ様でいいバイトにありつけました」 「やだもう、何で今まで気づかなかったんだろう?ノブくんもさぁ、早く言ってくれたらよかったのにっ」 頬に手を当てながら恨めしげに言う紡木さん。 少しずつ彼女に近づいていってるような気がして、また、お酒を飲んだ時みたいに、心がフワフワしだした。 …
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