(1) 1年遅れのスタートなんて、たいしたことないから

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受験1年目、高校3年生の冬の始め。 何を浮かれてんだとなじるだろうが、僕に初めての彼女が出来た。 塾で同じクラスで、同じ志望大学で、励まし合っていく内にそんな関係になった。 「ノブくん、一緒に受かって、一緒に通おうね」 現役で受かれば、一人暮らしを親から許される事になっていた。 彼女には合格が決まるまで内緒にしようと思った。 大学生活が始まったら、彼女ともっと距離を縮めたい。 そんな願いは…儚く散って… 二人とも志望大学に落ちた。 彼女は滑り止めの女子大に受かり、そこに通う事になった。 僕は 滑り止めも落ちた 「ノブくん、あたし、待っていられないから。 勉強、がんばって」 そう言って彼女は、僕から去っていった。僕は続けていく気だったのに。 たった3ヶ月で付き合いが終わった。 そんな彼女とは、キス止まりだった。 …
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