(4) 10代最後の夏楽しめよ

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大学が夏休みに入ると、当たり前だけどキャンパスは閑散として寂しかった。 僕は週3の割合でバイトに出たが、紡木さんに図書館で出迎えられなくて落胆したし、 書店で槙村さんのかしましい声が聞こえないと、めちゃくちゃ静かだなと思ったりした。 神保さんとは毎回顔を合わせて、夏休み間のシフトは9:00~15:00で入ってたから、神保さんと連れ立って様々なお店でお昼ごはんを食べた。 「息子がいたら、こんな感じなのかなぁ(笑)」 と、神保さんは冗談混じりに言った。 神保さんはバツイチで、娘が1人、母親が引き取っていった、という事もこの時に聞いた。 サークルで海に行く3日前。 お昼は海水浴、夜は浜辺でバーベキュー、という詳細が出て、メンバーの皆が大盛り上がりの中。 ♪~ 1通の個人メッセージ。 ーーー紡木さんからだった。 僕達は連絡先を交換していない。掲示板から僕のアイコンをタップしたのだろう。 彼女のメッセージを読む前から、僕の心臓は馬鹿みたいに暴れだした。 【紡木です。 こちらに突然ごめんね。 あのね、ノブくんにプレゼントしようって思ってるの。 同じ誕生月だしね? リクエストとかあったら、聞かせてほしいな。 あ、あんまりお高いのはムリだけど(>_<)】 俺に誕生日プレゼント? まさかとか、そんなわけないと思うより、真っ先に浮かれた。 【本当に? じゃあ俺も、紡木さんにプレゼントしなきゃだね。 何かリクエストは?(σ・∀・)σ】 【あっ、そんなツモリで言ったワケでは( ºωº; )】 【まあまあ。プレゼント交換って事でいいんじゃない?(*^^*) あっ、じゃあさ、、、あんまり気を遣うのもあれだし、1,000円位でお互い用意しようよ。 もちろん中身はヒミツで((・`艸・´))】 【うん、いいアイデア!じゃあそういうことで(笑) 3日、楽しみだなぁ(*´ω`*)】 【そうだね、俺も楽しみ】 文章からじゃ分からないかもだけど、ドキドキしながら紡木さんにメッセージをしていた。 相当にやけていたと思う。 紡木さんへのプレゼント、悩んだけどなんとかピンと来るものを見つけられた。 それが包装されるのを眺めながら、紡木さんの喜ぶ顔を…きっとあの泣き袋の笑顔を見せるだろう…浮かべながら、8月3日を指折り数えた。 …
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