本気になったら負けなんで。

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「貴人くんほんとかっこいいねー!」 「貴人くんと付き合いたい!」 「遊びでもいいから貴人くんと付き合いたい……。」 基本的に俺の周りにいる女はこんな感じ。 正直女に困ったことない。 自分で顔も悪くないと思ってる。 まあ、一晩だけの関係とかもたまーにあるわけで。 「俺、貴人のマネは絶対出来ないわ。」 はあ、とため息をつきながら雄輝が言う。 昼間っからちょっとおしゃれなカフェでコーヒーを飲む雄輝は同性から見てもカッコイイ。 正直雄輝も同じように出来ると思う。 『なんで?雄輝だって遊ぼうと思えば遊べるよ?』 「アホか。貴人だから女が寄ってくんだろ。 あと、貴人になったとしても無理。」 ぐっと眉間にシワを寄せてため息をつく。 「お前いつか刺されるぞ。」 雄輝の言ってることは正しい。 相手に彼氏がいたりしたら殴られると思うし、本気になった女に刺されるかもしれない。 けどお互い遊びだって割り切ってやってるし。 おおっぴらにこのクズ感を出してる訳でもない。 知ってるのは雄輝や仲いい友達だけ。 それでいいし、それで十分だ。
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