怪奇現象との対峙

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怪奇現象との対峙

暗がりで良く見えませんが、小さい子供が何やらもぞもぞ動いています。 動く度にあのザラザラと言う音が聞こえるのです。 風太君は恐怖のあまり「ひゃあ!」と声を出し、頭まで布団を被り、ガタガタと震えました。 見てはいけないものを見たような気がし、すっかり恐怖の虜になりました。 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏!」 祈るような気持ちで唱えてみましたが、一行にザラザラという音は鳴り止みません。 まだ得体の知れないものが部屋の中に居るということです。 数分後、風太君もすっかり落ち着きを取り戻しました。 明日も仕事があるのに、何故自分がこんな目に遭わなければならないのだ、という苛立ちさえふつふつと沸いてきました。 布団一枚隔てた向こうではまだザラザラと音がします。 睡眠まで妨げられて腹を立てた風太君は、思い切って相手の正体を見ることにしました。 布団から手を伸ばし、手探りで照明のリモコンを探し当てました。 「一、二の、三!」 電気を点けるのと同時に布団から勢いよく飛び出しました。
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