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協力者
「うわん!」
耳の隣で、赤ちゃんが泣く声が聞こえました。
風太君は驚いて飛び起きました。
寝惚けた頭でもすぐに分かりました。
「おまえらなー!」
車内のライトを点けると助手席には乳飲み子くらいの赤ちゃんが座っています。
むずがゆそうに口をへの字に曲げて、目から涙を流しています。
後部座席には昨日とおとといの子供が身を寄せ合ってこちらを見ています。
思った通り、妖怪が増えています。
助手席の赤ん坊は他の二匹と同じように全裸でしたが、群青色の涎掛けを付けています。
「今度と言う今度は許さんぞ!」
風太君が鬼の形相で怒鳴ると、三人は今にも泣き出しそうな顔をしています。
怒りが頂点に達した風太君は、ふと良い事を思い付きました。
「そうだ、お前たち!」
妖怪達は、身を寄せ合ってプルプルと震えています。
「俺について来い。いいか、言うとおりにしないと承知しないぞ」
そういうと、風太君は妖怪達を乗せたまま車を発進させました。
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