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「洋モノなら、神話に出てくるバケモノもいますよ。メデューサ、ケンタウロス、ミノタウロス、ヒュドラとかですね」
小林が引き継ぐ。
「そうそう。ゴブリンとかゴーレムとか、ファンタジーの定番もあるわよねぇ」
仕返しとばかりに、峯湖が書きながら発言する。ガタガタと、椅子を鳴らして座り直したのは、小林か。
「西洋のバケモノと言えば、ドラキュラ、狼男、魔女、悪魔……この辺、定番じゃないですか」
星澤が口を挟む。
「ラブクラフトの旧支配者もバケモノの類だと思いますよ」
ずっと無口だった5課の城島が、ボソリと呟く。
「宇宙からの訪問者だな。エイリアンもバケモノっちゃあバケモノだな」
「そりゃ、地球人とは違いますからね」
無表情のまま熊田を見遣り、星澤は吐き捨てる。
「宗教的な悪者や異端も、バケモノじゃねぇの」
「ああ。悪鬼とか邪神ですね」
八雲の発言には、すかさず星澤が乗っかる。
「あと――霊的なモノも、バケモノよね。死んだ筈の人間、ゾンビやキョンシーなんてのもあるでしょ」
やれやれと首を振って、峯湖が、微妙に剣呑な雰囲気を変えようとする。
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