3.バケモノとは何ぞや

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「洋モノなら、神話に出てくるバケモノもいますよ。メデューサ、ケンタウロス、ミノタウロス、ヒュドラとかですね」  小林が引き継ぐ。 「そうそう。ゴブリンとかゴーレムとか、ファンタジーの定番もあるわよねぇ」  仕返しとばかりに、峯湖が書きながら発言する。ガタガタと、椅子を鳴らして座り直したのは、小林か。 「西洋のバケモノと言えば、ドラキュラ、狼男、魔女、悪魔……この辺、定番じゃないですか」  星澤が口を挟む。 「ラブクラフトの旧支配者もバケモノの類だと思いますよ」  ずっと無口だった5課の城島(きじま)が、ボソリと呟く。 「宇宙からの訪問者だな。エイリアンもバケモノっちゃあバケモノだな」 「そりゃ、地球人とは違いますからね」  無表情のまま熊田を見遣り、星澤は吐き捨てる。 「宗教的な悪者や異端も、バケモノじゃねぇの」 「ああ。悪鬼とか邪神ですね」  八雲の発言には、すかさず星澤が乗っかる。 「あと――霊的なモノも、バケモノよね。死んだ筈の人間、ゾンビやキョンシーなんてのもあるでしょ」  やれやれと首を振って、峯湖が、微妙に剣呑な雰囲気を変えようとする。
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