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或る日も死神は催眠術で眠らせた人間を一人、自ら駆る白骨化した空飛ぶ馬で運び、ドロロン城を訪れ、魔女に持ち掛けた。
「へへへ、こいつはかなり太ってるから食い甲斐があるというもんじゃ!」
「ほんまやね。いつもすまないこって。」
「いやいや、なんでもないことじゃよ。」
「しかし、何でそないに親切にしてくれはりますの?」
そう聞かれて死神は遂に告白する時がやって来たと思った。
「いや、実はその・・・お前さんを初めて見た時から・・・」
死神がもじもじしていると、魔女は全てを悟って言った。
「あのね、死神はん、わてには悪魔の恋人がおりますの。」
「えっ!」
「ほやさかい、何が何でも、わてを勝ち取りたいと思われなはるならもっともっとプレゼントなり親切なりしてくれませんとあきまへんわ。」
「ああ、分かったよ。お前さんをものに出来るのなら何でもする。」
「そう、えらい惚れ込みようでんなあ。有難いことやわあ・・・ほな、そやねえ、取り敢えず今から100人、家畜にする人間を連れて来てくれまへんか?」
「えっ!ひゃ、100人!」
「そうどす、無理でっか?」
「い、いや、何とかする。」
「そう、ほな、5時間以内にお頼み申します。」
「ご、5時間以内!」
「そうどす、無理でっか?」
「い、いや、何とかする。」
「そう、ほな、お頼み申します。」
「あ、ああ・・・」
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