第二章・―何だかんだで異世界満喫なう―

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 レベルが三桁まで到達してから、もう大分経つ。  その頃にはそこら辺で俺に敵う強さを持つやつはいなくなったんだけど、基本的に皆良いやつらでしかも平和的な性格なので、特に争う事もなく生きてきた。  町はやがて、街へと規模を拡大して、更には国と呼べるくらいには発展していった。  こうなると心配なのが、個体同士での細かい争いだ。  今更ながら、秩序というもの必要かと考えて、人間でいう、法律のようなものを軽い感じで制定してみる。  これが思いの外上手くいって、結果、益々俺は皆から慕われる身となっていく。  技術も発達し、農作物の生産なんかも、あくまでも自然の摂理に逆らわず、流れに身を任せる形で生きていたら、より豊かな土地と生活を手に入れる事が出来た。  めっちゃ便利。  そしてかなりロハス。  都会の汚れた人間関係と空気の中で生きてきた頃とは大違いだ。  とにかく目茶苦茶生き易いんだよ。  レベルも着実に上がって、もう少しで四桁に到達するまでには成長しているし、多分それまでには密かに計画して、建設してきた城も完成するだろう。  一回で良いから住んでみたかったんだよねー、城。  生きている間に夢は叶わないかなぁとか諦めていたけれども、だ。  こんな形でも、案外あっさり叶うもんだな。  異世界転生、万歳だわ。  段々と水鏡に映る外見も(いか)つくなってきているし、レベルの高さに相応しい限りだ。  よし、このまま突き進んで、立派に国を統治するモンスターになって見せるぞ。
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