重力と真紅

1/1
前へ
/42ページ
次へ

重力と真紅

寒い冬の日、君は空から飛び降りて、まるで雪の様に綺麗で、輝いて、消えて。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ただ夜を見上げて白混じりの空に街灯が暖かく感じてた 何度過ぎた夜だか 何度過ぎた冬だか 何時迄も変わらない情景に 分からなくなってた 君が居ない事に気づきたくなかった 愛よ 冬よ 風よ 僕を笑えよ 君の震えた声に寒いのかなって勘違いして 勘違いばっかの僕は何も為せない 君を 君を 君を 探してるんだよ 雪に 染まる 血潮が 気持ち悪かった ただ日々を過ごして吐息混じりの風に心が寂しく感じてた 何度過ぎた夜だか 何度過ぎた冬だか 何時迄も変わらない情景に 分からなくなってた 君との思い出がない事に気付きたくなかった 忘れたくなかった 愛よ 冬よ 風よ 僕を笑えよ くそったれな寒い冬は僕の叫びを静寂に消して 積もった雪に隠れて君は見えない 君を 君を 君を 忘れたんだよ 雪に 染まる 血潮が 気持ち悪かった 雪と舞って 舞って 舞って 舞って 舞って 舞って 舞って 舞って 舞って 舞って 君は散ってく。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あんなにも愛していたのに、亡骸の君は気持ち悪くて僕は目を背けた。忘れようとしていた。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加