夕凪空の影の下

1/1
前へ
/42ページ
次へ

夕凪空の影の下

土手駆け上がって歩く君の横に追いつく 真夏の夕陽に僕ら影を写されて いつかの夏を思い出してる 覚えているのは夏ばかり 忘れていく君の事も まだ知らない振りをしてるんだ 君に追いつこうと階段を駆け上がって アスファルトを見下ろしても 足がすくんで動けないまんまの僕が 足元に影を伸ばす。 ねえ会いたいよって叫んだって 声は蝉時雨にかき消されて ねえまた笑いたいよって泣いたって 君はもう居ないの そんな夏を駆け上がっている
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加