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女:2
都会の交差点
老婆:「困ったのう……。道に迷ってしもうたわい……」
青年:「どうしたんですか? おばあさん」
老婆:「孫のところへ行こうとしたんだけど、迷ってしまってのぉ……。ここなんじゃが……」
【紙を渡す音】
青年:「どれどれ……。ここならすぐ近くですね。一緒に行きましょうか」
老婆:「おぉ、なんて優しい青年じゃ。ありがたやぁ」
青年:「こんなの普通ですって。あ、荷物持ちますよ」
老婆:「すまんのぉ」
孫の家
青年:「この住所だと、ここだと思います」
真由美:「おばあちゃん! よくここまで来れたね。この方は?」
老婆:「おぉ、真由美。道に迷ってるところを、この青年に助けてもらったんじゃよ」
真由美:「おばあちゃんをここまで送ってくれてありがとうございます。あの、良かったらお礼にご飯行きませんか? もしお時間があるなら、今からでも、どうでしょう?」
青年:「え? でもあなたなにか用事があるんじゃないですか? そんなにおめかしして
……」
真由美:「実はこれからお見合いなんですけど、気乗りしなくて……」
老婆:「無理してお見合いなど行かなくていいんじゃよ」
青年:「えっと……」
真由美:「ご迷惑でなければ、どうでしょう?」
青年:「そんな、迷惑なんかじゃないです。行きましょう」
真由美:「はい! この近くに美味しいイタリアンがあるんです」
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