第7話 大波乱の学園最強決定戦

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「撤退命令はバズギーの父親の判断だろう。あんたが言う役割を全うするか、預かった騎士たちの命を優先するか。その選択を父親は選んだんだ、生きて騎士たちを王国に帰す決断をしたんだ。任務失敗で罵声を浴びせられ、咎められることを覚悟の上で」 「………」 「騎士としての矜持か人の命か、バズギーの父親は命を選び、守るために決断した。全ての責任を全部背負って、王国や国民から蔑まれようと預かった命を守るために選んだんだ。どんな罰を受けても、周りから軽蔑の眼差し向けられようと現状を把握し騎士たちを守るために自分一人を犠牲にしたんだ」 「ならば彼はデッカーズ半島で死ぬべきだったのでは?部下たちを生きて帰らせるために命を投げ出すべきだったのではないのか?」 「いかにも安全な場所で悠々自適に過ごしてた野郎の発想だな、ヘドが出る」 「なんだと…?」 「命を優先した、なら自分の命も当然優先する。死なせてしまった騎士たちの無念を持ち帰るためにバズギーの父親は生きて帰ることを選択したんだ。自分だけ犠牲になるだ?そんな三流以下のくだらねえプライドは持ってなかったんだよ。こいつの父親は誰よりも騎士として守るべき物を守ろうとしたんだ」 「それはキミの考えだ。騎士とは任務を死んでも果たす、そのための存在だ」
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