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そうなればユラシルに怖い物は無い。貫通力はあれど威力が低くなったその瞬間、敢えて自分の体で剣を受けながら距離を詰め真横から豪快な一振りを繰り出す。
レビックが飛び退いた。着弾して体勢を乱されたユラシルはすぐには追えなかった。
自分は追えない。だけど剣は別だ。
「七ノ刃───【踏突(ふみつき)】ッ!!」
捨てた剣を靴底で押し出す形で放ち、レビックの腹に先端がめり込んだ。
「ガハッ…!?」
真剣ならば貫通していただろう、そう思うとゾッとするレビックだったが、よろめく中で目撃したのは地面に落ち、僅かに跳ねた剣を掴んで飛びかかってくるユラシルだ。
「むんッ!!」
「ぐゥッ!!」
刃と刃がぶつかる。威力に押され地面を滑るが持ちこたえ、ユラシルとレビックが鍔迫り合いになった。
「強いなレビックッ、ここまでやるとは正直思ってなかったぜ。期待以上だ!」
「キミは想像以上だよユラシルくんッ、型にはまっていないのにここまで鮮麗された動き、この強さ、キミは一体何者なんだ!?」
「言ったはずだぜ、俺は最強を越えて究極を目指す男だってなァ!!」
鍔迫り合いから弾け飛んだ両者は綺麗に着地しそれぞれの剣を構える。
「究極を目指す男……か。なら、そんなキミになら僕も奥の手を使わないと太刀打ち出来ないな」
「む?」
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