第0話 究極へのリベンジを誓って

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冷酷とも薄情とも残虐とも取れるであろう思考回路。常人には理解出来ない切り替え方。 だが常人なんかで理解出来るような人間ならば、こんな破滅を目前にしてもまだ戦おうとは思わないだろう。 彼はすでに常人にはわからない世界に立っている人間だ。彼らの物差しに合わせる気など無い、だから彼はこれまでもただひたすら進み続け、そしてこの場で剣を握っている。 (解決するにはこいつを倒すしかねえ。だったらやることは明白) 剣を構え鋭い眼光を灯し遥か高くにある顔を睨んで彼は言った。 「───テメェに勝つ、それしかねえんだッ!!」 カッッと向けられた巨大な掌から無数の光の針が雨の如く降り注いだ。人間の柔らかい体なんて簡単に貫ける最悪の雨を目にしても男は怯まず、一歩力強く踏み出して剣を振りかぶる。 ……小さな子供が木の枝を乱暴に振り回している姿を見て着想を得たという幼稚な理由によって出来た技。 「我流剣技、一ノ刃───【舞衝(むつき)】ッ!!!」 連続してただ剣を振り回すだけ。しかしその太刀筋も速度も鮮麗されていて、必殺技として確立されるだけの代物となったその技で光の雨を斬り壊す。 ギャギャギャギャギャッッッ!!!!と眼前で閃光となって消える雨にも目を見開きながら剣を振るって破壊し、降り止んだ直後に駆け出す。
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