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攻撃はまだ終わらない。光の束が連続で落ちてくるのを止まることなくかわして距離を詰め、捌き切れないと判断しすぐに、
「二ノ刃、【騎鎖羅戯(きさらぎ)】ッ!!」
舞うような足取りで剣が走り、光にぶつかった反動も利用して男の体が跳ね回る。安全地帯に常に体を弾いて移動しながら接近し、やがて男は剣を鞘に収めグッと体を前に倒した。
「九ノ刃…」
頭上から落ちてきた光線を爆発的な加速でかわし、大地を踏み鳴らす巨大な足めがけ一直線に、弾丸を軽々と凌ぐ速度で跳ぶ。
「───【久衝(ながつき)】ッッ!!!」
足首後ろ、体を支える腱を狙ってとある島国に伝わる剣術を見様見真似で物にした最高速度の斬撃を叩き込む。ガギィイイッ!!!と甲高い音と火花が散った。
「固えッ…!!」
僅かに食い込んだだけで裂くことは叶わなかった。引き抜き、連続で同じ場所めがけ男は再び九ノ刃の構えに入る───が、直後巨体全部から光の爆発が起き、男は至近距離から浴びて吹き飛ばされてしまった。
「が…ばはッ!!?ぐごェ…!」
止まった時には随分と距離を離されてしまっていた。咄嗟に守りを固めた白い光の膜はあっさりと粉砕され衝撃もろくに殺すことは出来なかった。
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