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ちっ、と耕太は心のなかで舌打ちする。
それならいっそ、ぐいぐいと恵の足を引いて、プールの底に沈めてくれたらよかったのに。
実は恵にも生命保険をかけ、保険金の受取人を耕太にしてある。保険金の額は常識的な範囲におさえている。一方で、耕太のほうにも生命保険をかけ、その受取人を恵にしてある。
こうしておけば、殺す目的で生命保険をかけた、と疑われることはないだろう。あとは、麻耶のときと同じように、事故に見せかけて恵を殺すだけだ。
ただ、そうは言っても、何度も保険金目当てに妻を殺せば、いずれは警察に疑われる。本格的に捜査が始まれば、どこでボロが出るかわからない。
だから、このやり口は、今回で最後にしようと思っている。
殺人の決行日は……明日だ。
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