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 空がだんだんと紫がかり、夕暮れ時も終わりかというころ。  そろそろ帰るか…新刊も買ったしな。  俺は、しばらくぶりに購入した図書の続きを抱え、屋敷への帰路を歩いていた。  その時のことだ。 『眩しすぎるものは、時に自らを蝕む毒になる』  そんな声が聞こえた。  いや、聞こえたと言うよりは、直接語りかけられた、という方が正しい。  俺の目の前に現れたは、どうやら俺にしか見えないらしい。  むしろ、俺もによって見えないものにされているのだろう。  背景となる人々は、何も無いかのようにすり抜けていく。 「なんだ、お前」 『眩しすぎるものに、あてられてはいまいか?』 「…余計なお世話だ」  は俺に向かって人差し指を伸ばした。 『いずれ来るだろう。圧倒的な光の前にその目が焼き切れ、黒く染まる時が』 「あ?うっせーよ、何が言いてーんだ」 『黒く染まったものは、白き布に戻ることは無い』 「聞いてんのか!!」 『染められたものは光を恨み、嬲り、屠り、殺し――』  ――""となるだろう。  黒い風が通り抜け――あ?俺は何をしていた?  …まあいい、本は買ったし。  あとはこれを堪能するとしよう。
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