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 豪勢な屋敷。  調度品なんかの善し悪しなんぞ、俺にはてんでさっぱりだが、俺が明らかに場違いなのは明白だった。 「こちらへ」  スーツを着込んだ執事のような男に通された部屋には、高そうな机と椅子、ソファが並んでいる。 「「「父上〜!」」」  ランディーたち3つ子は、その高そうな机と椅子に佇む男に駆け寄った。  どうやら3人の父親らしい。 「おお、おかえり」  父親らしき人物は、3人を強く抱き寄せてそう言った。 「何事もなく終えたか?」 「はい、ですが…」  3人は俺を見た。  まぁそれもそうだろう、よく分からないおまけをつけて来てしまったのだから。 「…彼は?」  3人の父親が、それまで我が子を見つめていた表情とは一変、鋭い目付きでこちらを見る。 「あ、あの、えっとですね、あの人はその…」 「つよそうだからつれてきた!!」  ランディーの言葉を遮ったのは、カーティス。 「!!ちょ、カーティス!」 「だってほんとだろ、つよそうなんだもん、あいつ」  カーティスがニコニコしてこちらを見る。  強そう…強そう、か。  まぁそこらの雑魚には負けない。  だが別に何をした訳でもないものだ。 「強そう、か」 「…父上、おこりますよね…?」 「…ランディー、カーティス…そしてイアン」 「「「はい!」」」  元気な返事が、見事にハモる。 「お前たちは、この人をリンクアシスタントにしたい、そう言っているんだな?」 「!そう…なります」 「お!?それいいな、さいこうです父上!」 「…さいこう」  全くもってちんぷんかんぷんだ。  ちんぷんかんぷんな事態になってきたぞ?  何?リンクアシスタント?  一体何の話だ。  俺は首を傾げずにはいられなかった。 「なんとも迷惑な…よいか、そういった理由で我々の戦いに一般人を巻き込んではいけない。調べてから行くなど、用意がいいのか悪いのか…」 「っ…ごめんなさい父上…」  3人はバツが悪そうに俯いた。 「君も、名前を言い当てられたからといってついてくるなんて、無防備すぎる」 「はあ…」  無防備すぎる、と言われても。  いや、確かに無防備か…?  だいたい、理性はきちんと働いていたんだ。 「自分でも不思議だ、何故ついてきたのかな」  本当に不思議でならない。  この3つ子に、一体何があるというのか。 「でもよ〜父上、せんりょくになるならいいんじゃないですか」  カーティスが言った。  いやいや何?戦力?何のだよ。 「…君、戦闘の経験は」 「は?戦闘?」 「そうだ、戦闘だ」 「…そんなご大層なもんでもねぇが、喧嘩くらいならいくらでもござれだ」 「喧嘩、か…」  ほんとに喧嘩だけだ。  まあ、その喧嘩が、そこらには敵う奴もいないくらいのレベルである自負があるのだが。 「ところで、さっきから一体何の話だ。リンクアシスタントだか何だか知らんが、何も無いなら帰るぞ」 「まあ待ちなさい」  3つ子の父親は言った。 「話すことなら、腐るほどある」
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