プロローグ

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・ 背中に貼りつく人の気配とぬくもりで目が覚めた。 カズが、私の背中にピッタリ身体をより添わせて、腕は前に回して私の胸の膨らみを軽く握ってる。 最初は隣り合わせに普通に寝ていても、気がつくといつもカズは私の背中に張り付いてる。 抱き合うんじゃなくて、背中から抱きしめるように貼りつくのは何故なのか、前にカズに聞いてみた事がある。 カズにも自分でもはっきりした理由はわからないけど、 母親におんぶされてるみたいで、安心するからかな? なんて、言っていた。 「私は、カズのお母さんじゃないわよ!。 失礼ね!。」 なんて、ちょっと憤慨してみせたら、 『いいじゃん。俺の大好きなお袋と同列なんだぜ。』 って、ちょっと照れた顔で私に告げたよね。 やだー、カズ、マザコン! なんて、あの時は思ったけど。 (あ‥、言わなかったよ、本人にはね(苦笑) 言ったら、カズは絶対にヘソ曲げるから) でもよく考えたら、お母さん対するみたいに私に愛情を求めてくれるんだ、と思うと嬉しくて。 それからは背中にカズが張り付いてると、 まだ愛されてるんだなと安心するの。 カズを起こさないように、ゆっくり身体の向きを変えてカズの方を向く。 スヤスヤと穏やかな顔で寝息を立てて寝ているカズが愛おしくて、 コッソリと唇を合わせてから再び目を閉じた。 ・ ・ カーテンの隙間から夜が明けてきたのがわかる。 結局、あれからカズは目覚める事もなく、 今もスヤスヤと眠っている。 最近のカズの忙しさは尋常じゃないから、2度も激しい運動したら疲れちゃって、そのまま寝ちゃうのは仕方ないよね。 さっきまでカズが入っていた身体の余韻。 本当は、会えなかった時間を埋めたくて、身体を重ねた後には色々話がしたかったんだけどな。 ・
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