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千尋の回顧
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昨日の夕方
『あ、千尋?。今、仕事中…だよね。』
突然、カズから電話があった。
カズの仕事が忙し過ぎて、この一ヶ月位は、メールかLINEでしか連絡してなかったから。
本当に突然だったけど、カズの声がスマホから流れてきた事が凄く嬉しかった。
「カズ!。どうしたのこんな時間に。
私は、外回りで今駅に向かって歩いてる所だよ。」
『ん。こっちはスゲー雨でさ、ロケが中止になったから時間できたんだよ。久しぶりに会えたらと思ってさ。』
「え、そうなの!」
『ああ、夜までには都内に戻るからさ。無理かな?』
「んー、今は出先だけど…、大丈夫なんとかするから。どこかでご飯する?それとも家に来る?カズのマンション?」
嬉し過ぎて早口でまくしたてしまった。
『お前さ、ちょっと早口すぎるわ!。
俺さぁ今日はゆっくりしたい。久しぶりに千尋の作った飯が食いたいなぁ。』
ちょっと気怠い感じのカズの声。
疲れてるのかなぁ。
でも、声が聞けただけでこんなに嬉しいなんて。
心が弾んでくるよ。
「うん。わかった。仕事、早目に終わらせて夕飯作るから家にきて。」
『ん。じゃあ、千尋のマンション行きますわ。』
「もし先に着いたら鍵開けて入っててね。」
『ん、わかった。風呂入って待ってるよ。』
「ちょっと、お風呂は余計でしょ。お風呂は!。」
『え?。俺と一緒に風呂入りたいの?じゃあ、入るのやめて待ってようか?。』
「もー、昼間から何言ってんのよ。違うでしょ。」
『じゃあ、俺を中に入れたい?』
「へ?。」
いきなりの言葉にカッと顔が熱くなるのがわかる。
もう、どのくらいシテない?
なんて一瞬考えてしまった。
『くくくっ…なに考えてんのよ。まあ、あとでゆっくりしましょうね。』
「ちょっとカズ!!」
『あ、マネージャーきたからまた後で。』
そんな感じのふざけたやり取りも、
久しぶりのカズからの電話ってだけで凄く嬉しくて、電話を切るとすぐに会社に電話をかけた。
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