千尋の回顧

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・ 電話で、仕事先から直帰すると部下に告げる。 それから、連絡事項と明日までに確認する書類があるなら、それをPCにメールするように指示した。 そして、営業先で契約に関する打ち合わせを終え、スーパーで買い物して急いで自宅に戻った。 まだカズはきてない。 急いでお風呂を洗い、ざっと部屋を片付けて、カズが来るまでの間に、急いで彼の大好きなハンバーグを作らなきゃ。 誰かの為にお料理するのがこんなに楽しいなんて。 久しぶりにウキウキしている自分がいる。 早く会いたい。 陽が暮れた頃カズがやってきて、 『悪りぃ、ロケで汗だくなんだよ。シャワー浴びさせて。』 そう言って、バスルームへ。 バスルームに向かう途中でカズが、 『一緒にはいる?』 なんて、ニヤニヤ笑いながら言ってきたけど。 カズと一緒にお風呂に入ると、すぐに悪戯してきて、なかなかお風呂から出れなくなる。 本当はそれも嬉しいから一緒に入りたかったけど、 「ご飯温めてるから、私は後で入るわ。』 って断った。 『ちぇーっ、俺の誘いを断ったら、後が大変ですよお嬢さん。あなたね、覚えておきなさいよ。後で沢山可愛がってあげますからね。まあ、俺の為に上手い飯作ってくれてるんだから今は我慢するわ。』 カズはそう言って、楽しそうにバスルームに消えた。 仕事先から、真っ直ぐに家に来てくれたのも凄く嬉しいのに、こうして私を思ってくれるのが何よりも嬉しくて、胸がギューって締め付けられる。 こんな小さな事でも嬉しい自分がいて、どれだけカズが好きなのか思い知らされる。 . . . それから、二人でゆっくりご飯を食べた。 『ん、上手い。』 そんな一言が嬉しい。 忙しいで後片付けしてからシャワー浴びる。 出てきたらカズは床に座って、ソファーを背もたれにして、いつもの様にビールを飲みながらゲームしてた。 私はその隣に座って、冷たい紅茶を飲みながら雑誌をパラパラめくる。 時々顔を見合わせて、相手を確認して、 視線が絡まったら、どちらともなく手を伸ばして唇を重ねる。 そのうち、どちらからともなく、お互いに腕を伸ばして相手を抱きしめる。 何度も何度も、確かめるように唇を重ね合う。 そしていつしかベッドに‥‥ それが私達の日常。 ・
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