千尋の回顧

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・ 商社に勤務する私は、今年の春の人事移動で営業部2課の主任になった。 部下も出来て毎日が充実してるけど、その分仕事も責任も増えて。 カズの仕事の都合に合わせられない事も増えてしまった。 カズに時間が出来ても、私に時間がなかったりして、こうして肌を合わせるのも随分久しぶり。 だから、カズの大好きなハンバーグを作って一緒に食べて、カズに抱かれるのが本当に嬉しかった。 欲を言うなら、もっとカズと色んな会話がしたかったな。 最近、私達、倦怠期かなぁ。 前より会話が少なくなったよね。 元々カズは、一緒に居てもゲームをしてる事が多くて、テレビの向こうで演技している 藤原和臣みたいに饒舌な時はそう多くない。 別にそれが嫌なわけじゃない。 別々の事をしていても、そこにカズがいるだけで幸せだから。 だけどね、 普段から会話は少ないのに、最近は本当に少なくて。 親友の夏生に言わせると、お互いが信頼してるから言葉はいらないんじゃないの。 って理論なんだけどね。 私はもっとカズと話をしたいの。 身体を求められるのも嬉しいけど、それ以上にもっとカズと話したい。 この先、二人はどうなるのか、最近は不安ばかりが募るから、やっぱり言葉で確認したいよ。 だって彼は今人気の若手俳優だから。 そんな事を、カズの寝顔を見ながら思ってた。 ・
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