千尋の回顧

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夜が明け切っていないせいか、外はまだ薄暗い。 カズを起こさないように、そっとベッドから抜け出してリビングに向かう。 仕事用のカバンから、ノートPCを取り出して、昨日作れなかった報告書を作成。 1時間少しで仕事を終わらせた。 それから、キッチンに移動して朝食作り。 少食のカズが簡単に食べられるように、一口サイズのサンドイッチにして、食べなくても仕事場に持って行ける様に、ケースに詰める。 果物も、食べやすく剥いて容器に入れ、サンドイッチのケースと並べて置く。 その横に簡単なメモを置いて終わり。 シャワーを浴びて支度をして、 まだ寝ているカズに声をかける。 「カズ、朝だよ。起きれたら起きてね。私はもう仕事に行くからね。」 丸くなって寝ているカズに、そっと話しかける。 まだ眠そうに、薄く目を開けて、 『ん…わかった…。』 それだけ言って、カズはまた目を閉じる。 「いつものように、目覚ましセットしておくから、ちゃんと起きてね。」 『ん。りょーかい。』 カズは、目を閉じたまま、ちょっと手を上げて、行ってらっしゃい的にヒラヒラと振る。 最近は、いつもこんな感じ。 私はカズのお母さんじゃないよ。 前は起き上がってハグしてkissしてくれてたのにな。 本当に倦怠期。 うんん 倦怠期でもなんでも、カズが私のベッドに寝ているのは事実だから、よしとしなきゃ。 そう自分に言い聞かせて、 私は会社に向かった。 ・
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