5人が本棚に入れています
本棚に追加
私の日常
・
会社の最寄り駅に着いた。
会社に向かいながら電話をかける。
.
何度目かの着信音の後、
『ん…』
眠そうにカズが電話に出る。
「カズ?もう起きないと仕事に間に合わないよ。あのね、ダイニングに朝食用意してあるの。バスルームにはタオルも着替えもあるからね。」
『ん、ありがと。頑張って起きる…』
また寝ちゃいそうな感じで、声が小さくなる。
「カズ!ダメだよ寝ちゃ。起きて!。」
『うるせーなぁ。はいはいわかってるから』
「ねえ、本当、大丈夫?」
『ん、大丈夫だから。今からシャワー浴びてくる。』
それだけ言って、電話が切れた。
大丈夫かな?
また寝てないかな?
私の仕事がもう少し融通がきいたら、こんな思いしなくていいのに。
でも、仕事大事だし辞められない。
ごめんね、カズ。
だけど、
うるせーなぁなんて、ちょっと傷つくよ。
そんな事を思って、スマホを見つめていたら、
「歩きスマホは危ないですよー。
久々のモーニングコールね。ご苦労様」
親友の夏生が、私の背後から肩をトントンと叩いた。
・
最初のコメントを投稿しよう!