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「虎治君は特権階級の一族だから、そんなことが言えるんだよ。
だけど、オレみたいな平民の家庭に生まれた人間は、平民のままで一生を終えるのが普通なんだ。
だからオレには信用スコアが大切で……」
辰雄が自分の現状を必死で虎治に訴えていると、虎治がそんな辰雄の言葉を遮るように辰雄の胸ぐらをいきなりつかんだ。
「黙れ、辰雄!
過ぎたことを後悔してんじゃねぇよ。
まだ小原紗栄子の遺書に何が書いてあるかもわかんねぇんだろ!」
辰雄は虎治に言いたいことが山ほどあったが、虎治の暴力の前にその言葉は引っ込んだ。
原島虎治は185センチ、95キロの巨漢で、そんな虎治に凄まれたら、誰もが虎治に言い返す言葉を失った。
虎治は暴力で西条学園中学を支配していた。
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