8786人が本棚に入れています
本棚に追加
鬼畜と関わるようになってから今の今まで一度も目にしたことのないような、キスと同じような無邪気な鬼畜の笑顔を前に、私の胸はたちまちキューンと締め付けられてしまい。
危うく心臓が止まっちゃうんじゃないかって思ったほどだった。
そんな感じで、鬼畜に骨抜きにされてしまった私がボーっと見惚れてしまっている間にも、鬼畜の唇は私の唇から軌道を外れていて。
私の耳を弄ぶように熱い舌や冷ややかな唇で舐ったり啄んだりを繰り返した後、肌の感触を愉しむようにして首筋や鎖骨の周辺を辿り始めた。
時折、チリチリと焼けつくような感覚に襲われて、それがキスマークなんだと気づいた時には、視界の中で、今まさに鬼畜の顔が胸へと埋められようとしていて。
鬼畜の両手はもうすでに私の両胸それぞれの外側からそうっと大事なものにでも触れるかのように添えられていた。
先週味わったばかりのえもいわれぬ快感を思い出した身体が勝手に粟立ちはじめる。
ハッとした私がそれらに抗うために身構えた刹那、恍惚の表情を浮かべた鬼畜の嬉々とした声音が耳に流れ込んでくるのだった。
「侑李さんの胸は本当に豊かで柔らかいですね? それに、こんなにツンと主張して、侑李さんの可愛い乳首が僕に速く触れて欲しいと言っているようで、なんとも健気で可愛くて堪りません」
「////……ッ!!」
それにより、鬼畜の放った羞恥を煽るような恥ずかしい言葉の数々に、まんまと羞恥を煽られてしまうことになった私は、全身真っ赤にさせらたお陰で悶絶状態だ。
そこへ、鬼畜から追い打ちをかけるようにして、少し拗ねているような甘えるような口調で繰り出された言葉が次々に追いかけてくるのだった。
「あんまり可愛いので、今すぐにでもむしゃぶりつきたいくらいですが、侑李さんは僕にどうしてほしいですか?」
「////……ッ!?」
「ちゃんとおしゃってくださらないと分かりません。それに、侑李さんは僕の本当の恋人になってくれたというのに、さっきから一度も名前では呼んでくださらないし。なんだか僕だけが盛り上がっているようで寂しくて仕方ありません」
最初のコメントを投稿しよう!