嫉妬とケンカとお仕置き!?

2/57
前へ
/542ページ
次へ
 老舗ホテルで結城君に襲われそうになったところを隼が助けに来てくれたあの日から、そろそろ二週間を迎えようとしている。    隼の知り合いだという警視庁の美人刑事さん。真っ黒なパンツスーツにハイヒールという格好いい出で立ちに、真っ赤なルージュが印象的な櫻井冴子さんの話によると……。  驚くことに結城君は、私に再会してから、私のことを色々調べていたらしく。バー『Charm』でも偶然居合わせたのではなかったらしい。  あの夜、結城君は不可解なことを言っていたが、全部そう思い込んでいたようだった。  そんな理由から、隼も櫻井さんも、結城君の父親が寄こした弁護士からの示談交渉には応じない方がいいと言ってはいたが。  そうなれば、裁判があるたびに、嫌なことを思い出さなきゃならないし、結城君が私の所為で犯罪者になってしまうのも後味が悪い。  もう思い出したくもなかった私は、警察に『禁止命令等申出書』というものを提出すれば、結城君が私に会うことを禁止できると聞いて、そうすることに決めたのだった。
/542ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8702人が本棚に入れています
本棚に追加