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再訪
「ねえ、本当に大丈夫なの?噛み付かれたりしないの?」
マクギーの丸太小屋を見ながら、キャリエッタは言った。
「全然平気。ちょっと口が悪いヒトだけどね」
「口が悪いのはお互い様だ」お馴染みの声と共にドアが開いた。「何しに来た?」
「一人でこんなところにいちゃ寂しいだろうから、遊びに来てあげたのよ」そう言いながら、私はお構いなしに丸太小屋の中に入った。キャリエッタは相手が相手のせいか、家に入るのは躊躇っている。入っておいで、とキャリエッタを手招きする。
「今日は村ではお祭りをやってる筈だろ。何でここに来るんだ」
「別に良いじゃない。それとも私たちがここにいたら迷惑?」
マクギーは、ふん、と鼻を鳴らした。
「まあ、いい。座れ」そう言って、私たちの前にコーンスープという汁物が差し出された。キャリエッタはごくりと唾を飲み込んだ。
「美味しそうだね」
私は頷いてマクギーに言った。
「ねえ、今度さ、村のみんなにもこれ作ってよ」
「別に難しくない。君が作り方覚えて教えてやれよ」
「ホント?じゃあ今すぐ教えてよ」
やれやれ、と言いながらもマクギーは満更でもなさそうにキッチンに向かった。
<了>
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