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「水やりはやったの」
7月の暑い日。私は近所の友達と虫採りに出掛けようとしていた。小学生2年生にもなると親と一緒にいるというより、友達と過ごす方が楽しみになる。
「やったよ。いってきます」
父と母は自然が好きで家の庭に花壇を造ったり、木を植えたりしている。だから、家の周りは緑であふれている。
自然が好きな父と母だが、実の両親ではない。実父は戦時中に襲撃を受け一命をとりとめたがその後病死。実母も私を出産し半年ほどで実父の後を追うかのように病気でこの世を去った。そのため、正確にいうと、父は叔父、母は叔母ということになる。しかし、私が物心ついた頃から叔父と叔母が世話をしてくれていたので本当の父と母のように接している。
さて、話は自然の話に戻る。家の庭にある植物たちへの水やりは私が世話していた。水やりの順番は道路に面した表側をやってから、裏庭に回る。裏庭にも植物は育っており、その中に私と背丈が同じくらいの二つ木が並んで生えている。最後にその木々に水やりをし作業を終えるといった流れだ。
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