2605人が本棚に入れています
本棚に追加
(4年前…初めての朝帰りの後、謝ろうと、話をしようと久我の事をストーカーばりに追い掛けた。昼になると速攻で久我の部署に行った。)
そもそもそれが間違いだったかぁ…と考えて項垂れた。
まさか人事部に久我が来てくれていたとは考えもしていなかった。
申し訳ない事をした…と静は自己嫌悪に陥っていた。
(あ〜あ…。でも…久我、可愛い先輩とランチ行ったじゃない?だから声が掛けられなかった訳だし…じゃあ、可愛い子とランチを終えてから帰りに人事部に寄ったって事?ついでに?)
下に向けた顔を上に向けて、渋い顔をして給湯室に向かう。
流し台を背に立ち、はぁ〜と息を吐いた。
(ついでに寄って呼び出して?何を言うのよ!間違いだった?一夜の過ち?ごめん?歳上だからいいと思った?うわっ!!全部聞きたくない!)
腕を組み、目を閉じて片手を額に当てた。
(今更だわ。社長になった以上、新入社員よりたちが悪い。歳上が社長の息子を誑かしてとか言われるんだわ。冗談じゃない。絶対、誰にも言えないし、今更、久我にも何も言わせてなるものか!)
はぁ〜と大きくため息を吐いて、目を開ける。
「おい!頭、痛いんじゃないのか?」
目の前に猛獣久我…もとい、いいお声の低音ボイス、冬夜社長がいて、ガタッと腰を当てていた流し台から腰がずり落ちた。
(何でだ?何でここにいる!!)
走り出しそうな足を意識で抑えていた。
最初のコメントを投稿しよう!