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プロローグ
晴れた青い空。白い雲と青い空のコントラストと緑の草木。絶妙なバランスで描かれた絵画のような景色。人は田舎と呼ぶそこは大自然に恵まれた素敵な場所だった。
私は畦道に自転車を止めてそんな晴れ晴れとした空を見上げた。
はずだった。
閉じた目を再び開けるとそこには大きな鏡に映った自分がいた。
…自分自身?
だがそこに映ったのは知らない女の子。髪型はおかっぱでクレオパトラを思わせる形でカチューシャを着けている。後ろには尻尾のように伸びた長い髪をリボンでくくってひとつに束ねてある。顔は…まぁ、絶世の美女って訳でもないけど中の上くらい…?所謂、顔面偏差値は平均値。セーラー服でもないしブレザーといった一般的なデザインでもない制服。まるでこないだまでやっていたゲームの主人公が着ていたような制服。だけど鏡に映るのはその主人公では無い知らない女の子。
何となく手を動かしてみる。鏡の中の女の子も反転して体を動かす。
「…は?」
今、間違いなく鏡の中の女の子が連動して動いた。これは自分じゃない。それだけは確かだ。しかし、体は鏡の中の女の子と連動している。一人、鏡に向かって百面相していると背後から笑う声が聞こえてきた。
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