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「なぁーにあれ?鏡よ鏡、て?」
「やだぁなにそれウケる!」
「灰被りは何やっても灰被りだっちゅーの!!!」
「キモーイ!!」
ケラケラと人を馬鹿にするような不快な笑い声。階段の下からこちらを見上げるようにして笑っている。
そこで気がついた。自分が今立っているのは中央階段の踊り場。そこに取り付けられた大鏡の前。こちらを見て笑っているのはクラスメイトの女の子四人。そのうちの一人がパチンと指を鳴らす。直後に私の頭上からザバァ…と生ゴミが大量に降ってきた。
「あら、ごめんなさいね。ゴミ箱かと思っちゃってぇ〜!!」
きゃはははと不快な笑い声を響かせながら四人はその場を去っていく。
その瞬間、記憶がフラッシュバックした。
「…そうだ…」
ここは、聖クリスタル学園。この間まで友人に借りてやっていた乙女ゲームの舞台。魔法を学ぶ子供達が集う学園。そして私はこの物語の主人公リチア・マーガレット。ではなく、学園のいじめられっ子こと"灰かぶりのエラ"。エラ・エーデルワイスだ。学園きっての落ちこぼれとも言われる彼女は主人公の友人Aとして登場するキャラクター。
「嘘でしょ…?」
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