プロローグ

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エラ・エーデルワイスが虐められている理由はいくつかあって、さほど裕福な家庭という訳ではないこと。黙っていると陰気な雰囲気があり、不気味がられていること。それから、記述式試験こそ高得点が取れるが、この魔法学園では致命的である魔法の実技試験が最下位レベルというカーストの低さが根底にある。所謂、落ちこぼれだ。 「確か…設定集とかには入学後の模擬試験で実技試験最下位だったことで鼻で嗤われるようになった…とかあったわね」 つまり、目下最大の目標とするならば実技の向上だ。上手く魔法を使えるようになれば記述式試験では高得点を取れていることからカーストの最下位からは脱却できるのではなかろうか。 エラの魔法は零か百しかないのかというほど加減が出来ない。しかもその上、ほとんどが零。不発ばかりだ。 沙夜はひとまず今日はこのまま寝ることにして、次の日から放課後などの時間を使って魔法の練習を始めることにした。
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