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「予想ね?あくまでよ?」
前置きを話してから佐和子に何度も想像だと念を押した。
「そもそもね?どうして二人でラブホテルに雪崩れ込む事になったのかな?と思ったの。男の人の部屋に雪崩れ込んだ事はあるのよね?」
うんうん、と佐和子は頷き、両手を前に出して前に乗り出して聞いていた。
「その時は男の人が隣で飲んでいて、もしくは酔った重本さんを仕方なく連れて帰った。じゃあ、今回の飲み会ではその女性が最初から隣に、もしくは途中から隣にいた確率が高い。で、ラブホテルだけど、私は入った事ないけど…あれって二人とも意識がなくて入れるもの?ドラマとか見た限り…確かね?最初にお金払うんじゃなかった?二人ともベロベロでお金払える。窓口があるのかな?自動なのかな?分からないけど…。」
「そうか!目が覚めて隣に女性がいる、を責めるより先に…何で女性とラブホに入ったかって事かぁ。」
「何人の飲み会かは知らないけど、女性と二人で帰るって事は誰か見てない?どっちが酔ってたか、二人共酔ってたら他に正気な人が付き添わない?二人…って言う所が引っ掛かる。重本さんを擁護する訳じゃないけどね?相手の女性が意識がはっきりしてたとして、重本さんに好意があったらハニートラップみたいなものじゃないの?佐和子がオロオロしたら相手の思う壺だわ。」
頬杖を付いて佐和子は考え込む。
暫くして愛子を見つめて言う。
「…ねぇ、それって相手の女の子が!夫婦喧嘩を…狙っているとかあり得る?」
「……彼女がわざと連れて行ったなら…あり得る。夫婦喧嘩ののち…離婚。もしくは弱った重本さんを今度は本気でロックオン!」
人差し指を佐和子に向けて銃の形をして撃つ素振りをした。
「止めてよ、愛子。怖いわよ。どうしたらいい?」
両手で腕を摩りながら佐和子が聞く。
「どうしたらって…。浮気じゃないんだし…何もなかったって重本さんは言っているんでしょ?ドンと構えてたらいいと思う。笑顔でお迎えすれば良いのよ。喧嘩なんかせずにね?」
笑顔で愛子は言うが、佐和子は何かしなければ落ち着かない…と、うずうずしてみせた。
「んーじゃあ取り敢えず…同じ会社でしょ?相手の様子だけでも見てみたらどう?何もなければいいんだし安心出来るでしょ?」
「そうね?何もなければいいんだし…。ね?何かあったら弁護士さん、紹介してくれる?」
佐和子の言葉にオレンジジュースを吹き出しそうになった。
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