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お変わりないですか。
打ち合わせなのか分からないランチを終えて、店に戻ると昼休憩を交代してレジに入った。
愛子の店は駅前にあり、系列店舗の中でも小さな店になる。
窓側の座席は10席、店の広さは15坪ほど、普通の家の大きめのリビングサイズだ。
レジに立てば店は隅まで見渡せる。
レジは3台で奥の作業場に午前と午後、焙煎に入るが朝と昼、夕方が忙しくそれ以外は数人で廻る店だ。
店長として赴任したばかりの頃は売り上げも良くなく、本部で行われる店長会議では注意を何度も受けた。
試飲サービスをしたり、チラシを配ったりしながらなんとか常連を確保して、赤字を失くした。
やっと常連も増えてスタッフとも打ち解けた店は、愛子にとっては子供と同じく大事な物になっていた。
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