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「ない」
「……お前、恋愛の意味でモテねえぞ?」
「総真くん以外は芽の出たジャガイモだから問題ないよ」
「え………」
何故か絶句した唯浜越しに、壁掛け時計が見えた。
あ、水都ちゃんの部活が終わる時間だ。
私は空手部で、今日の午後練はなかった。
水都ちゃんは手芸部で、帰る時間をあわせるためにここで待っていたんだ。
「私そろそろ行くね」
勉強道具をしまって、席を立つ。
唯浜は動かなかったけど、まだここで勉強していくんだろうとそのままにしておくことにした。
昇降口ですれ違う、帰って行く友達に手を振りながら水都ちゃんを待つ。
「羽咲ちゃんお待たせ~」
「ううん。帰ろー」
「うんっ」
水都ちゃんと色々お話しながら帰る登下校は、いつも楽しい。
図書室の唯浜が復活するのに時間がかかったとも知らず。
「芽の出たジャガイモって……毒じゃん」
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